曲げわっぱのおひつは、炊きたてのご飯を移しておく木の器です。木が余分な湯気を吸うので、ご飯が水っぽくならず、冷めてもかたくなりにくいのが、ほかの保存容器との大きな違いです。容量は「1回に何合炊くか」で選ぶのが基本で、一度に2合までを炊く家庭なら、2合のおひつがちょうどよい目安になります。
この記事では、おひつの容量の考え方、炊飯器の保温や保存容器との違い、毎日の使い方と手入れを、秋田県大館市の曲げわっぱのつくり手・栗久のおひつを例にまとめます。
曲げわっぱのおひつとは:木が湯気を吸う器
おひつ(お櫃)は、炊いたご飯を移して食卓に出したり、食べるまでのあいだ置いておいたりするための器です。曲げわっぱは、杉などの薄い板を曲げて輪にし、合わせ目を山桜の樹皮で綴じてつくる木の器のこと。秋田県大館市は曲げわっぱの産地として知られ、「大館曲げわっぱ」は国の伝統的工芸品に指定されています。
炊きたてのご飯は、たくさんの湯気を含んでいます。ふたの閉まる容器に入れると、その湯気が冷えて水滴になり、ご飯が水っぽくなったり、冷めたあとにかたまったりしがちです。木のおひつは、この余分な湯気を木が吸うので、ご飯の表面がべたつきにくくなります。
栗久のおひつ 2合は、ふたの板の厚みが15ミリあります。つくり手の説明によると、この厚いふた板が炊きたてのご飯の湯気を吸うため水滴にならず、冷めたご飯がかたまらないので、そのままおむすびを握れるといいます。

何合を選ぶ?おひつの容量の目安
おひつの「2合」「3合」という表し方は、一般に、その量のお米を炊いたご飯が入る大きさを指します。選ぶときは、家族の人数よりも「1回に炊く量」を基準にすると迷いにくくなります。
お米1合(約180ml)を炊くと、ご飯はおよそ330g。お茶碗に軽く2杯ほどです。
| 1回に炊く量 | 炊き上がりの目安 | お茶碗の目安 |
|---|---|---|
| 1合(約180ml) | 約330g | 約2杯 |
| 2合(約360ml) | 約660g | 約4杯 |
| 3合(約540ml) | 約1kg | 約6〜7杯 |
ひとり暮らしや2人暮らしで、1回に1〜2合を炊くことが多いなら、2合のおひつが使いやすい大きさです。いつも3合以上を炊く家庭では、2合のおひつには入り切らないことがあります。この記事で紹介している栗久のおひつは2合です。
朝に炊いたご飯をおひつに移し、昼のおむすびや夕食の分まで取り分けておく、という使い方なら、1回に炊く量で選ぶ考え方がそのまま当てはまります。
炊飯器の保温・保存容器との違い
おひつは「温かさを保つ」道具ではありません。ご飯を温かいまま食べたいなら炊飯器の保温が向いていますが、保温を長く続けると、ご飯が乾いたり、色やにおいが変わったりしやすくなります。おひつは、温度ではなく「ご飯の水分」を整える道具と考えると分かりやすいでしょう。
| 置き方 | ご飯の状態 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 曲げわっぱのおひつ | 木が余分な湯気を吸い、冷めてもべたつきにくい | 食卓に出す・その日のうちに食べる・おむすびやお弁当 |
| 炊飯器の保温 | 温かいが、長時間では乾燥や変色が出やすい | 数時間のうちに温かいまま食べる |
| ふた付きの保存容器 | 湯気が水滴になり、表面が水っぽくなりやすい | 小分けにして冷凍する |
同じ木のおひつでも、板を並べて箍(たが)で締めた桶の形のものと、薄い板を曲げて綴じた曲げわっぱのものがあります。どちらも木が湯気を吸う点は同じで、違いは主につくり方と姿です。曲げわっぱは、継ぎ目の少ない、まるい輪の形がそのまま器になります。
曲げわっぱのおひつの使い方
毎日の使い方は難しくありません。基本の流れは次のとおりです。使い始めの準備や細かな扱いは、届いた品の注意書きを優先してください。
- 使う前に、内側を水でさっと湿らせるか、固く絞った布巾で拭いておく。一般に、白木(塗装をしていない木)のおひつでは、ご飯がくっつきにくくなるとされます。
- ご飯が炊き上がったら、早めにおひつへ移す。しゃもじで切るようにほぐしながら入れると、余分な湯気が抜けやすくなります。
- ふたをして、そのまま食卓へ。食べる分をよそいます。
- 残ったご飯は、その日のうちに食べ切るのが基本。おむすびにしておくのもよい方法です。
栗久のおひつは、内底の角をアール(丸み)に仕上げてあり、すくいやすく、ご飯が角に詰まりにくいつくりです。最後のひと口分までしゃもじで集めやすいのは、毎日使ううえでうれしいところです。
電子レンジ・冷蔵庫は使える?
木の器は一般に、電子レンジや食洗機には向かないとされます。熱や急な乾燥で、割れや反りが出るおそれがあるためです。
冷蔵庫に入れてよいかは、つくり手や品によって考え方が分かれます。栗久の商品説明には記載がないため、届いた品の注意書きに従うか、つくり手に確かめてください。数日以上とっておきたいご飯は、小分けにして冷凍するのが一般的です。
冷めたご飯は、せいろで温め直す
おひつで冷めたご飯は、せいろで蒸し直すと、ふっくらした食感に戻ります。同じ栗久のセイロ 3合は、蒸気を通す穴のあいた板が付いていて、鍋の大きさを選ばずに使えるつくりです。ご飯を「置く」のはおひつ、「温め直す」のはせいろ、と木の道具で分担すると、電子レンジを使わずにご飯を食べ切れます。使い方は曲げわっぱのせいろの使い方と選び方にまとめています。

手入れ:洗い方と乾かし方
曲げわっぱのおひつの手入れは「洗って、よく乾かす」が中心です。一般的な白木の曲げわっぱでは、次の点に気をつけると長く使えます。
- 使い終わったら、ぬるま湯で、やわらかいスポンジやたわしを使って洗う。洗剤は使わないのが一般的です(木が洗剤を吸い、においが残ることがあるため)。
- 水につけ置きしない。長く水につけると、木がふくらんだり、乾くときに割れたりする原因になります。
- 洗ったら布巾で水気を拭き、風通しのよい日陰でしっかり乾かす。直射日光やコンロのそばなど、急に乾く場所は避けます。
- 湿ったまましまい込まない。黒い点(カビ)の原因になります。
栗久のおひつは、内底の角を丸く仕上げているので、洗いやすく乾きやすいのが特徴だとつくり手は説明しています。仕上げ(塗装の有無)や細かな手入れの方法は品によって違うため、届いた品の注意書きに従ってください。

この記事で紹介した品
| 品 | 価格(税込) | 特徴 | つくり手 |
|---|---|---|---|
| おひつ 2合 | 44,000円 | 15ミリの厚いふた板が湯気を吸う。内底の角を丸く仕上げ、すくいやすく洗いやすい | 有限会社 栗久 |
| セイロ 3合 | 20,900円 | 穴のあいた板付きで、鍋の大きさを選ばずに蒸せる | 有限会社 栗久 |
栗久は、秋田県大館市の曲げわっぱのつくり手です。「伝統を守りながら新しいデザインを作っています」と紹介しているとおり、おひつやせいろのほか、円錐形の曲げわっぱのワインクーラーやフルーツボウルも手がけています(曲げわっぱのワインクーラーとフルーツボウルを贈る)。
送料は、栗久のショップ情報では全国一律1,700円(北海道・沖縄は2,750円)です(2026年10月時点)。返品を希望する場合は一週間以内に連絡するよう案内されており、お客様都合の返品は受け付けていません。破損やつくり手側の過失による返品は、送料をつくり手が負担します。くわしくは栗久のショップページでご確認ください。
よくある質問
おひつに入れたご飯は温かいままですか?
おひつは保温の道具ではないため、時間がたつとご飯は冷めます。そのかわり、木が余分な湯気を吸うので、冷めてもべたつきにくく、おむすびやお弁当にしやすい状態を保てます。温かいご飯を食べたいときは、せいろで蒸し直すのがおすすめです。
手入れは大変ですか?
使うたびにぬるま湯で洗い、よく乾かすのが基本です。つけ置きや食洗機を一般に避ける分のひと手間はありますが、栗久のおひつは内底の角が丸く、ご飯粒が残りにくいつくりです。
届くまでの日数は?
お届けの目安は、商品ページの表示をご確認ください。送料は上の「この記事で紹介した品」に記したとおりです。
海外に住む家族に贈れますか?
海外の住所へ直接は発送していません。海外の住所に届けたい場合は、購入代行サービスの Buyee を通して購入する方法があります。手順は海外から買う方法(Buyee)にまとめています。日本に住む人への贈り物なら、通常どおり国内向けに購入できます。